【回想】
子供の頃、ニュースで殺人犯が描いた絵がとりあげられていた。
ドラえもんが腐った犬の死体を抱いて月を見ているイラストだった気がする。
当時その絵を見てとても恐ろしいと感じた。反面、何度も脳内で反芻してはドキドキしていた。
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思えば私は人の人生について絵を通して考えるのが好きだ。自己の理解の及ばない人の心ほど、興味がでるのは人の性だと思っている節がある。
そして絵は、精神の状態が如実に現れるものだ。
私は今でこそ穏やかな日が多いが、かつては風呂のシミに意識を乗っ取られそうになったり、唐突にパニックになり絶叫をしていた時期もあった。正直あの時は1番死に近かった。駅のホームで、何度もシミュレーションをした。電車でパニックになり咄嗟に降りた駅の多目的トイレで大泣きし、吐いたこともあった。常に冷や汗や脂汗をかいていた。その時の絵を見てる人がいるとしたら当時のものはかなり異常なものだったとわかるはずだ。
既にあの時の狂気の回路はとっくに霞んだので今は平和な絵を描くことが多いかもしれない。実際見直しても凶暴性は減った気がする。
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幸せになるほどクリエイターには魅力がなくなるとよく言われるがこれはそうとも言えるしそうでもないとも言える。と私は思う。
ナニが言いたいかって言うと、死人や罪人、イライラして尖ったやつに陶酔するのもいいけど自分のすきを貫いているヘンタイはそれをも凌駕するほどの狂気があると思うのだ。

そんなわけで私も同じ趣味の他者にとって興味を惹くほどのヘンタイおえかきんちゅでありたいなとぼんやり思うのであった。
  
  

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